生体は約60兆個(新説では37兆個)の細胞で出来ている。その一つ一つ細胞にはミトコンドリアがある。そのミトコンドリアは食物の炭水化物(でんぷん)と、空気中の酸素からエネルギー(西洋医学ではATP、中医学では氣)を生成している。そのエネルギーの生成には酵素の原料となるビタミン・ミネラルが必須である。そのため栄養状態が悪いとエネルギーの生成量は低下する。

 エネルギーの生成過程で酸素を取り入れている以上、活性酸素(ROS:Reactive Oxygen Species)が最低でも3-5%が生成されるが、生活習慣が悪いとROSの産生量が多くなり、疲労物質(FF)が生成されやすくなる。ROSが多くなる要因としてストレス、不規則な生活、肥甘厚味の過食、紫外線などで、ROSを減少させる要因は抗酸化物質(フィトケミカル、水素など)、よい睡眠である。エネルギーの産生量が減少すると元気がなくなり、疲労が蓄積して各種疾患に罹患しやすくなる。また、エネルギーが順調に産生されても環境変化(寒さ・暑さ)や神経質体質(不安症などのHSP)、過労などによってもエネルギーが消耗され元気がなくなる。

 従って、元気(エネルギー)と疲労とは相反するものであり、元気を維持するためには、バランスのよい食事ばかりでなく、軽い運動、精神の安定(呼吸)、よい習慣のリズム、よい睡眠が重要である。