病気のほとんどは生活の不摂生によって生じる。従って未病(病気になる前の体調不良)時に生活を見直す必要がある。また病気が発症してから西洋薬による投薬や手術を施した場合であっても生活を見直すことによって治療の回復に大きく寄与できる。
5つの養生法がある
①心養生:精神の養生。特に自律神経を調整できる呼吸法が重要です。さらに「プラス志向」「足を知る」などの心の持ち方・考え方を変える必要がある。また人に対して常に「感謝」「親切」の心をもって接することが重要である。
②食養生:五大栄養素である炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルは重要ですが、一般に「どの食材がどんな栄養素」であるかを理解するのは難しい。食材の色と五大栄養素とには関連がある。色どりのある食事はバランスのよい食事といえる。ちなみに青色が野菜などのミネラル、赤色が肉や魚などのタンパク質、黄色が穀物などの炭水化物、白が牛乳や油のような脂質、黒色がキノコ類や海藻・貝類などのミネラルに相当する。
③動養生:運動には4つ方法があります。スクワットなどの筋肉を鍛える筋トレ。ウィーキングなどの有酸素運動、筋肉などを伸ばすストレッチ運動、体幹を鍛えるインナーマッスルである。これらが衰えていくとフレイル(虚弱)になるので日頃から鍛える必要がある。さらに姿勢が悪いと首・背中・腰・膝などに痛みが出てくる。
④慣養生:正しい生活習慣、例えば毎日決まった時間に起き、決まった時間に寝るなどのルーチンが大事である。このルーチンには成長ホルモンやメラトニン・セロトニンなど神経伝達物質が関与している。人生には定年がない。毎日、仕事やボランティアを行うことは生活のメリハリがつき、充実した毎日が送れる。日本人は冷水、冷えたビール、生ものなど多く摂取する習慣があるため、冷え症をはじめがんなど多くの疾患に罹りやすい。また人との会話には笑顔で接するように心がける。笑顔は人を幸せにするばかりでなく免疫能が高まる。
⑤休養生:人生の1/3の時間が睡眠である。よい睡眠をとることが免疫や体調にも大きく供与する。ストレス社会の中で非日常の生活も重要で、ときどき温泉や山・海などに出かけて自然と触れあうことが重要である。また、自分の時間をしっかり確保して自分の趣味を生かして集中することもストレスから解放される。